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腫瘍科

ご挨拶

近年、ペット長寿化の時代を迎えるなかで、ヒトと同様に腫瘍性疾患の発生が急速に増加しています。腫瘍性疾患のうちでも悪性腫瘍、いわゆる「がん」は、最終的にペットを死に至らしめる非常にやっかいな病気です。長年にわたり家族の一員として暮らしてきたペットがこのような腫瘍性疾患を患ったとき、飼い主様がより専門的な治療を希望されるのは当然のことです。腫瘍科はこれらのニーズに応えるべく新設された診療科で、主に犬と猫に発生する腫瘍性疾患の診断・治療を担当しています。基本的な細胞・組織診断ならびに画像診断以外に遺伝子診断も組み入れて腫瘍性疾患の病態を正確に把握し、外科療法を中心とした高度獣医療を提供致します。
がんに罹患する動物の多くは高齢(>8才)であり、がん以外に様々な慢性疾患(心疾患、腎・泌尿器疾患、内分泌疾患など)を抱えていることがよくあります。特にその慢性疾患が重篤な場合には、がんに対する積極的治療をしない方が良い場合もあります。獣医学的に正しい治療法があったとしても、それが全ての子に適した治療であるとは限りません。
当科では、単に正しい治療の選択肢を飼い主様に提示するだけではなく、動物の併発疾患、年齢、性格、ご家族の状況などを勘案し、最も適した治療法をご家族と共に考えることを第一に心掛けています。また、担当させて頂いた動物については疫学的・細胞生物学的・分子生物学的に解析を行い、再び同じがんに苦しむ動物やご家族が少なくなるよう、臨床獣医学研究者として新たな診断・治療法の開発を目指して参ります。

がんに苦しむ動物のため、皆様のご協力をお願い致します。

2020年11月吉日
東京農工大学農学部附属動物医療センター
腫瘍科主任 呰上 大吾

診療内容

腫瘍科

中枢神経系以外に発生した腫瘍性疾患全般を担当しておりますが、特に手術以外では治療効果が得られにくい腫瘍に重点を置いております。また、腫瘍外科を軸とし、必要性に応じて抗がん剤治療やその他の治療法を組み合わせて治療するため、あえて腫瘍外科/腫瘍内科に分けず、シームレスな治療を心掛けております。
臨床研究面では特に口腔腫瘍、内分泌腫瘍、肺腫瘍、肝細胞癌に力を入れておりますので、先生からのご紹介をお待ちしております。なお、受診・セカンドオピニオンをご希望の飼い主様は、掛かりつけの動物病院にご相談下さい。

  • 再建を伴う体表・軟部組織腫瘍
  • 骨腫瘍(骨肉腫、血管肉腫など)
  • 口腔内腫瘍(悪性黒色腫、扁平上皮癌、骨肉腫など)
  • 甲状腺腫瘍(犬の甲状腺癌、猫の甲状腺腫)/副甲状腺腫瘍
  • 縦隔腫瘍(胸腺腫など)
  • 肺腫瘍(肺腺癌、組織球性肉腫、神経内分泌腫瘍など)
  • 肝臓腫瘍(肝細胞癌など)
  • 脾臓腫瘍(血管肉腫、緩徐進行型リンパ腫など)
  • 膵臓腫瘍(β細胞腫瘍、膵外分泌腺癌など)
  • 副腎腫瘍(機能性副腎皮質腫瘍、褐色細胞腫など)
  • 腎腫瘍(腎細胞癌、尿路上皮癌など)
  • 消化管腫瘍(小腸腺癌、消化管間質腫瘍など) など
血液内科

腫瘍科担当医(呰上)は腫瘍科以外にも、血液・骨髄疾患の診断・治療に長年取り組んでおります。下記のような血液・骨髄疾患に苦しむ動物達にも専門診療として対応可能ですので、先生からのご紹介をお待ちしております。なお、受診・セカンドオピニオンをご希望の飼い主様は、掛かりつけの動物病院にご相談下さい。

  • 遺伝性血液凝固因子欠乏症(血友病、フォンウィルブランド病、第XII因子欠乏症、第VII因子欠乏症など)
  • 骨髄増殖性疾患(真性多血症、本態性血小板血症など)
  • 多発性骨髄腫/本態性マクログロブリン血症
  • 骨髄異形成症候群
  • 慢性/急性白血病
  • 免疫介在性血球減少症 など

治療例

後大静脈内浸潤を伴う副腎褐色細胞腫

副腎の腫大は軽度(矢印)であるが、後大静脈内に腫瘍栓が形成(両矢印)されている。

腫瘍化した副腎の後大静脈内浸潤部位を残して剥離し、ターニケットで後大静脈を遮断。

摘出した右副腎(矢印)と連続した血管内浸潤組織(両矢印)

上顎線維肉腫に対する吻側上顎切除(工事中)
下顎歯肉扁平上皮癌に対する片側下顎切除(工事中)
肝細胞癌に対する中肝区画一括切除(工事中)

スタッフ

腫瘍科主任:獣医臨床腫瘍学研究室 准教授 呰上 大吾(あざかみ だいご)
獣医師、博士(獣医学)、日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種、アジア獣医内科学専門医(腫瘍学)
所属学会:日本獣医がん学会(理事、獣医腫瘍科認定医認定委員長、学会誌編集委員)、日本獣医臨床病理学会(理事)、日本比較臨床医学会(理事)、日本獣医輸血研究会(JSVTM認定輸血コーディネーター認定委員長)、動物臨床医学会(評議委員)、日本獣医麻酔外科学会
*経歴・研究業績等の詳細はこちら

担当医:獣医臨床腫瘍学研究室テニュアトラック准教授 濱部 理奈(はまべ りな)
獣医師(日本・英国)・博士(獣医学)
ご挨拶:近年ペットの長寿化が進み高齢のペットが増えたことで、腫瘍が犬猫の死因の上位になっております。また、医療の進歩とともに、腫瘍の早期診断が可能となり治療法の選択肢も増えました。腫瘍疾患に罹患するペットの中には、心疾患など他の疾患を合併している、またはそのリスクが高い症例が少なからずあります。全てのペットが安心して治療を受けられるよう、それぞれの基礎疾患や予後、またご家族の意向やライフスタイルなどに合わせて治療方針を考えていきます。ホームドクターとも連携しながら、ご家族に寄り添い最善の道を一緒に探し、サポートいたします。
2023年8月吉日
腫瘍科担当医 濵部 理奈


所属学会:日本獣医麻酔外科学会・日本獣医循環器学会 経歴・業績等の詳細はこちらをご覧ください。

担当医:動物医療センター 特任助教 小山田 友大(おやまだ ともひろ)
獣医師・博士(獣医学)
所属学会:日本獣医がん学会、日本獣医麻酔外科学会
ご挨拶:近年の動物医療の発展に伴い様々な治療オプションが可能となってきました。ご家族との対話を通して、患者さんに最善の治療を提供できるよう努めております。お困りの点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

担当医:動物医療センター 特任助教 川名 朝香(かわな あさか)
獣医師・博士(獣医学)
所属学会:日本獣医がん学会、日本獣医麻酔外科学会
ご挨拶:ご家族が「がん」について理解を深め、ペットにとって最善と思える治療の選択ができるよう、丁寧に説明することを心がけています。特に腫瘍外科に力を入れ、安全な手術が提供できるよう日々取り組んでいます。

専科研修医:酒井 文啓(さかい ふみひろ)
獣医師
所属学会:日本獣医がん学会

単科研修医:上記のスタッフ以外に単科研修医が10名在籍しています。

腫瘍科スタッフ一同


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